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東京電力女性社員殺人事件
東京電力女性社員殺人事件の再審が開始される/事実は小説よりも奇なり/
あなたが陪審員だったら有罪、それとも無罪


 今般、東京電力女性社員殺人事件について再審が行われることになりました。そこで、第1審の東京地裁判決、控訴審の東京高裁判決、そして今回の再審決定判決を3回シリーズで取り上げたいと思います。この事件は、被害者である東京電力の女性社員が、繁華街で客をとり売春行為を行っていた中で被害にあった事件であり、そのためマスメディアが事件をセンセーショナルにとりあげたために、世間の耳目を集めました。また、ネパール人である被告人が一貫して無罪を主張したために、その帰趨については司法界でも注目されていました。

 結果は、第1審の東京地裁は無罪、控訴審の東京高裁は有罪(無期懲役)、最高裁も有罪(無期懲役)という判決になったため、無期懲役が確定し被告人は収監されていました。そして、被告人が逮捕されてから約15年が経過し、今回、技術的に進歩したDNA鑑定が行われました。その結果、新事実が明らかになったために、再審手続(裁判のやり直し)が開始されることになりました。

 陪審制度も実際に運用されている中で、皆様も、なぜ、こうしたえん罪事件が起こるのかを考え、もし陪審員に選任されたら皆様はご自身は有罪・無罪のどちらの判断をしたかについて検討してみてください。

 なお、本解説は、一般の読者の方々が内容をより容易に理解してもらえるように、わかりやすさを重視しており、正確性に欠ける部分も一部にありますので、ご了承下さい。

 東京電力女性社員殺人事件第1審東京地裁判決
 東京電力女性社員殺人事件控訴審東京高裁判決
 東京電力女性社員殺人事件再審決定審